ファミリーコンステレーションの取扱説明書
〜誤解したまま関係を終えないために〜
2 続々・事前に理解すること(欲求について)
前回までに、生き延びるための本能として、迷走神経の働きとトラウマについて見てきましたが、少し違う目線から、生き延びるための本能について書きたいと思います。

これは、マズローの欲求5段階説を簡易に表した図ですが、ここでは、この説自体の内容には深入りせず、この図をから私たちが何を強く望んでいるのかを考察したいと思います。
先ず、図の項目を見ると、私たちは、「生きていることを大前提に、そこから生き延びるために「生理的欲求」があり、リラックスして生き延びるために「安全の欲求」があり、更にリラックスして生き延びるために、「所属と愛の欲求や承認の欲求」がある様子がわかります。
とても自然なことのように思われますが、この対象を乳児のような小さな子どもに置き換えると違和感を覚えます。なぜならば、小さな子どもは、生理的欲求ですら自分で満たすことができず、生きることが完全に他者に依存しているからです。
つまり、小さな子どもの場合は、生理的欲求以前に、保護者のグループに所属し、保護者からの愛という保護が必要なことがわかります。
また、原始の時代を想像してみても、同様のことが想像できます。どこから敵や獣が出てくるかわからない自然界の中で、それらから身を守ることや、食料を調達することも一人では困難です。人類の長い歴史の中で大半を占めると言われる原始の時代では、小さな子どもと同じように、グループに所属し、助け合うことが必要でした。
このように考えると、現代においても、そう変わるものではありません。これほど便利な時代になっても、たった一人で生き延びることは簡単ではありません。
このマズローの欲求5段階説の図から理解したいことは、現実的に見ると、生き延びるために必要なことは、生理的欲求以前に、所属と愛の欲求が勝るという味方ができるということです。
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